【8月11日 AFP】バングラデシュで2日に行われた頭部結合双生児の分離手術をめぐり、同国とバングラデシュの医師団は10日、二人の術後の容体は安定していると述べた。

 3歳のラベヤ(Rabeya)ちゃんとルカヤ(Rukaya)ちゃんの頭部結合は、まれな発生学上の異常で、500万~600万件の出産に1件の割合で起こると推定されている。

 双子の姉妹はバングラデシュの首都ダッカの軍事病院で、30時間にも及ぶ頭蓋骨と脳の分離手術を受けた後、回復をみせているという。

「オペレーション・フリーダム(Operation Freedom)」と名付けられた手術には、ハンガリー人の医師35人、バングラデシュ人の医師100人超が参加。

 大規模な医師団を率いた慈善団体の創設者の一人で、整形外科医のゲルゲイ・パタキ(Gergely Pataki)氏は、昨年から続く一連の手術の最終段階となる分離手術の後、双子の容体は安定していると語った。

 病院で記者会見を開いたパタキ氏は、「だが、このようにまれで複雑な外科手術はリスクを伴い、依然として合併症が起きる可能性があることを心に留めている」と語った。

 姉妹はこれまでに脳神経外科手術を2回、形成外科手術を44回受けてきた。医師らは今回の手術前、姉妹が生き延びる可能性は50%しかないと語っていた。

 姉妹の母親であるタスリマ・カトゥン(Taslima Khatun)さんは不安に襲われていたものの、娘の一人に話しかけられた際、うれし涙を流したという。母親は、「わが子の一人がけさ、『お母さん、膝の上に乗せて』と話しかけてきて、とてつもなく安心した。ものすごく幸せ」と語った。だが、姉妹が完全に回復するかどうかが気がかりだという。

 麻酔医のマルツェル・チャポディ(Marcell Csapody)氏は、姉妹が完全に回復することを医師団は願い、また楽観しているが、まだ完全に危機を脱したわけではないので、現実的でいなければならないと話している。(c)AFP