【8月11日 AFP】来月に市議選が予定されているロシアの首都モスクワ(Moscow)で10日、自由で公正な選挙を求めるデモが行われ、約5万人が参加した。デモ参加者が集結した市中心北部の大通りには警官や重装備の機動隊員らが多数配備され、参加者100人以上が身柄を拘束された。

 今回のデモは当局の許可を得て行われ、当局公認のデモとしては、2012年にウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)氏が首相から大統領に返り咲いて以来、最大規模のものとなった。

 デモなどの参加者数集計NGO(非政府組織)の「ホワイト・カウンター(White Counter)」によれば、10日のデモ参加者は4万9900人。だが、モスクワ警察発表の参加者数はこれを大幅に下回る2万人で、拘束者数は130人超となっている。

 このほか、抗議活動における拘束者状況を追跡するNGOの「OVDインフォ(OVD-Info)」によると、ロシア第2の都市サンクトペテルブルク(St. Petersburg)でも80人が拘束された。

 今回のデモでは、国内の若者たちに人気のラップ歌手、オクシミロン(Oxxxymiron)さんやフェイス(Face)さん(22)がパフォーマンスを披露。顔に施したタトゥーがトレードマークのフェイスさんは「みんなが自由と選ぶ権利を得られるように、僕はきょう、ここで演奏する」と語った。

 モスクワでは、プーチン氏批判の急先鋒(せんぽう)に立つアレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏派ら複数の野党候補を市当局が9月に実施予定の市議会選から排除したことを受け、自由で公正な選挙を求める抗議デモが先月から行われており、数千人規模の市民が参加している。

 これまでに実施された2回のデモは市当局が認可していない状況で行われ、参加者2000人以上が機動隊や国家親衛軍に身柄を拘束された。うち十数人は、騒乱罪で起訴され禁錮刑を科される可能性がある。(c)AFP/Romain COLAS