【8月4日 AFP】ロシアの首都モスクワ中心部の大通りで3日、9月に実施予定の市議会選で野党候補者の登録を当局が拒否したことに対する抗議の「デモ行進」が行われ、800人以上が拘束された。地方公共団体レベルの問題が、政治危機に発展している。

 ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領批判の急先鋒(せんぽう)として知られるアレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏率いる反汚職団体に対する犯罪捜査を開始するなど、当局はナワリヌイ氏に対する圧力を強めている。

 モスクワ中心部では3日、大勢の機動隊が配備され、金属製の障壁が設置された。携帯機器によるインターネットへの接続は長時間にわたって遮断され、一部の小売店やカフェは休業し、地下鉄の1駅も一時閉鎖された。

 ロシア当局による拘束状況を追跡する非政府組織(NGO)「OVDインフォ(OVD-Info)」によると、今回のデモで828人前後が拘束された。

 デモの参加者数は、警察発表ではわずか1500人とされている。一方、AFP記者は数千人とみているが、デモが複数の地区に広がったため、正確な推定は困難だという。

 7月27日に行われた抗議デモでは、ナワリヌイ氏ら野党候補者と市議会選への立候補希望者の大半を含む1400人近くが拘束され、近年最大級の弾圧となった。(c)AFP/Maria Antonova and Theo Merz