■前日に2000ページの法廷文書公開

 9日に公開された2000ページにおよぶ法廷文書は、エプスタイン被告の「性奴隷」だったと主張するバージニア・ジュフリー(Virginia Giuffre)さんの証言に焦点を当てたものだった。

 今は成人しているジュフリーさんは、米政財界の著名人との性行為を強要されたと主張しているが、名指しされた著名人らは全員、疑惑を否定している。

 検察によると、エプスタイン被告は2002年から2005年まで、マンハッタン(Manhattan)とフロリダ州パームビーチ(Palm Beach)の自宅で、未成年の少女数十人を性的に搾取した。被害者の中には14歳の少女もおり、エプスタイン被告は「被害者の多くが未成年者であることを十分に認識していた」。

 エプスタイン被告は少女らに数百ドル(数万円)の現金を渡し、マッサージや性行為、他の少女の勧誘をさせた。スカウト部隊も保有しており、弱い10代の少女に近付きやすいよう、主として年齢の近い者で構成されていたとされる。

 米メディアの報道によると、エプスタイン被告はさらに、共謀者候補に金を払い、「影響力」を行使していた。

 エプスタイン被告は過去、パームビーチの邸宅で少女らに金を払い、性的なマッサージをさせたとして有罪判決を受けたが、2007年に当時フロリダ州の連邦検事だったアレクサンダー・アコスタ(Alexander Acosta)氏と秘密裏に司法取引を交わし、連邦での起訴を免れていた。

 アコスタ氏との司法取引により、エプスタイン被告は、州法での児童買春1件の罪を認めて性犯罪者として登録される見返りに、郡刑務所での禁錮1年1月という軽い刑を言い渡されて収監され、2009年に釈放されていた。

 アコスタ氏はトランプ政権で労働長官になったが、エプスタイン被告との司法取引で批判を受け、先月労働長官を辞任した。

 エプスタイン被告と交際のあった著名人には、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領やビル・クリントン(Bill Clinton)元大統領、英国のアンドルー王子(Prince Andrew)がいる。交際のあった著名人は全員、未成年の人身取引については全く知らなかったと主張している。(c)AFP/Peter HUTCHISON