【8月9日 AFP】イタリア連立政権で副首相兼内相を務める極右のマッテオ・サルビーニ(Matteo Salvini)氏が8日、連立への支持を撤回し、解散総選挙を要求した。同政権は危機にひんしている。

 右派政党「同盟」を率いるサルビーニ氏は、もう一人の副首相で反既成勢力を掲げる「五つ星運動(M5S)」の党首であるルイジ・ディマイオ(Luigi Di Maio)氏と、さまざまな政策をめぐって衝突を繰り返してきた。

 サルビーニ氏は同日さらに圧力を強め、政権維持に必要な議会での過半数はすでに失われたと述べ、選挙の実施を要求した。

 サルビーニ氏に加え、セルジョ・マッタレッラ(Sergio Mattarella)大統領と個別に協議したジュセッペ・コンテ(Giuseppe Conte)首相は、議会を招集するのはサルビーニ内相ではないと突き放した。

 その上で同氏に対し、政府の活動を「突如妨害する理由」について、「変化の可能性を信じた国民、有権者に説明し、正当性を示す」よう訴えた。

 同盟は世論調査で優位に立っており、選挙が前倒しされればサルビーニ氏に有利に働くことが考えられ、同党より小規模で同じく右派の「フォルツァ・イタリア(FI)」との連立政権樹立の可能性も出てくる。

 現地通信社は8日、早ければ20日にも上院が開会され、政権の退陣表明が行われる可能性があると報じた。その後数日のうちに議会解散もあり得るとしている。

 同国憲法では、議会解散後50~70日以内に選挙を実施しなければならないと定められている。(c)AFP/Ljubomir MILASIN