【8月9日 AFP】韓国・ソウル地方警察庁は、先月ソウルで行われたサッカーの親善試合でユベントス(Juventus)のクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)が出場しなかった件について、詐欺行為に関する捜査の一環として、試合を主催したスポーツ代理店の家宅捜索を行ったと発表した。

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 警察によれば、刑事告訴に伴う今回の強制捜査は、この代理店がロナウドの出場が保証されていると虚偽の主張をしていたか否かを捜査するためのものとしている。

 当局はAFPの取材に対し「われわれは8日にこの企業の家宅捜索を行った」と明かした。

「われわれは今、この代理店が、ロナウドが出場しないかもしれない、あるいは出場しない予定だということを事前に十分に認識していながら、試合の運営を進めようとしていたのかどうかを捜査している」

 匿名の個人によって提出されたこの告訴状は、ユベントスとの契約ではロナウドは最低でも45分間はプレーすることになっているとうたうことで約60億ウォン(約5億7000万円)のチケット収入をだまし取り、購入者に対してロナウドが出場しないかもしれないことを伝えなかったとして、主催者のファスタ(The Fasta)社の責任を問うものとなっている。

 先月行われたKリーグ・オールスターとの親善試合で、ロナウドはベンチに座り続けた。これに対しユベントス側は、ロナウドは筋肉疲労があったためメディカルスタッフの指示に従って欠場したと明かしている。

 チケットを購入した6万5000人のファンは、ユベントスの選手たちが乗っていた飛行機の到着が遅れてキックオフが約1時間遅れたことから、試合の間ずっと不満をあらわにしていた。

 Kリーグ側はユベントスの対応を「詐欺行為」と非難し、謝罪を要求している。

 しかし、ユベントスは詐欺や不正といった非難をはねつけ、アンドレア・アニェッリ(Andrea Agnell)会長も同リーグに対して「メディカルスタッフの指示によれば、ロナウドは筋肉疲労を理由に欠場せざるをえなかった」という内容の書簡を送った。

 当局によれば、ファスタ社のロビン・チャン(Robin Jang)代表は韓国からの出国を禁止されており、すぐに取り調べを受けることになっているという。(c)AFP