【8月20日 CNS】中国・山西省(Shanxi)の太原美術館(Taiyuan Art Museum)で、600年以上前のスポーツを描いた古代の壁画が6日から展示されている。その中で、同省洪洞県(Hongdong)広勝寺(Guangshengsi)水神廟(びょう、Shuishenmiao)に現存する元時代の壁画「捶丸(Chui Wan、球具を使い小さな球を打つ競技)図画壁」で描かれた「捶丸」がゴルフによく似ていると評判だ。

 この展示の目的は、古代壁画の中のスポーツの絵を展示することにより、古代スポーツの多様性と悠久の歴史を知らしめることにあるという。

「山西省の古代壁画の中に現れるスポーツの絵は、中国古代スポーツの真実の反映であり、古代スポーツの多様性を記録したものです」「これらの壁画を通して、中国の古代スポーツを知り、現代のスポーツに至るまでの歴史的な流れを理解してほしいです」と太原美術館の王鼎(Wang Ding)館長は語る。

 展示された「捶丸図画壁」は最も代表的なもので、古代の「捶丸」競技の場面を描いている。絵画に描かれた球技場や、用品、参加人数など、現代のゴルフによく似ている。北京五輪の開催期間中に、当時の国際オリンピック委員会(IOC)のフアン・アントニオ・サマランチ(Juan Antonio Samaranch)会長が中国に来て、「捶丸図画壁」を見て「中国人は元の時代からゴルフをやっていたのか」と驚いた話は有名だ。

 同様に、同廟に現存する元時代の壁画「対弈図」に描かれた古代棋具や棋盤は、現代の象棋(中国将棋)の「楚漢分界(Chu Han Fenjie)」によく似ており、駒も現代の囲碁に似ており、中国の棋類の発展の歴史を研究する上で貴重な資料だ。

 中国の古代では「蹴鞠(Cu Ju、足でボールを蹴る競技)」「馬球(Ma Qiu、馬に乗ってボールを追う競技)」や「捶丸」は一世を風靡(ふうび)した三大球技だった。「蹴鞠」の起源は春秋戦国時代までさかのぼり、盛んになったのは宋、元、明朝になってからだ。「馬球」は主として唐の時代に流行し、「捶丸」も「馬球」の後を継いで変化したものという。(c)CNS/JCM/AFPBB News