【8月5日 AFP】豪南東部ビクトリア(Victoria)州で6月から施行された安楽死に関する州法に基づき、女性のがん患者(61)が7月に安楽死を遂げた。慈善団体が今月4日発表した。

 末期疾患の患者のための支援慈善団体「ゴー・ジェントル・オーストラリア(Go Gentle Australia、穏やかに逝こうの意)」によると、2人の子どもを持つケリー・ロバートソン(Kerry Robertson)さんは転移性乳がんの治療をやめて3か月たっていた。

 ロバートソンさんは2010年に乳がんと診断され、がんは骨、肺、脳、肝臓へと転移。化学療法の副作用が耐え難くなった今年3月に治療を中断し、自らの命を絶つための薬物摂取を決意したという。26日間の承認審査を経て、安楽死を実行。同州のベンディゴ(Bendigo)で死去した。

 ビクトリア州では2017年に安楽死を合法化する法案を可決、今年6月から施行された。この法案は議論を呼んだが、他の州も同様の州法を制定することが予想されている。

 オーストラリアでは、安楽死は過去に北部特別地域(Northern Territory、準州)で合法とされていたが、激しい議論の中、1997年に連邦政府がこの州法を無効化していた。(c)AFP