欧州連合、IMF専務理事候補に世銀ナンバー2のゲオルギエバ氏
このニュースをシェア
【8月3日 AFP】欧州連合(EU)は2日の閣僚会議で、世界銀行(World Bank)ナンバー2のブルガリア人、クリスタリナ・ゲオルギエバ(Kristalina Georgieva)氏を国際通貨基金(IMF)次期専務理事候補に選出した。
選出に当たっては、EU独自の方式による多数決が用いられた。匿名の事情筋によると、ゲオルギエバ氏の得票率は加盟国数に対して56%で、支持国の人口がEUの総人口5億人に占める割合は57%。結果を確定させるのに必要な対加盟国数で55%以上、対総人口で65%の支持に届かず、加盟各国の財務相による電話会議で協議が行われた。
投票は、フランスが仏独間および南北欧州間の分裂の修復を目指し呼び掛けた異例の措置だったが、対立が解消されたとは言い切れない。
この日は残っていた候補者のうち3人が脱落し、最終的にドイツが支持するイェルン・デイセルブルム(Jeroen Dijsselbloem)前オランダ財務相とフランスが支持するゲオルギエバ氏の争いとなった。
IMF専務理事は欧州から選出されるのが慣例だが、EUは、内部の分裂やためらいが大きければ、他地域からの候補への支持を促すことになりかねないと懸念している。
ゲオルギエバ氏は経済学の博士号を取得しているほか、2010年からEUの欧州委員を務めた。2016年に国連(UN)事務総長の有力候補となったが、元ポルトガル首相で事務総長のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)氏に敗れ、その後の2017年から世銀のナンバー2に当たる最高経営責任者(CEO)を務めている。
同氏がIMF専務理事に選出されれば、現職のクリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)氏に続き2人目の女性専務理事となる。
ラガルド氏は欧州中央銀行(ECB)総裁への転出が決まっており、IMFは10月4日までに後任を選出する予定。
IMFには専務理事の年齢を任命時点で65 歳以下とする規定があり、今月66歳になるゲオルギエバ氏が就任するには他の加盟国から例外として認められる必要がある。(c)Antonio RODRIGUEZ and Stuart WILLIAMS