【8月2日 AFP】北朝鮮は1日、前日に実施した兵器試験の様子を写した一連の写真を公開した。写真の中には大部分にモザイク処理が施されているものもある。北朝鮮は新型誘導ロケット砲を試験したとしており、韓国内の米軍基地への攻撃に使用される可能性をめぐる懸念が高まっている。

 北朝鮮の国営テレビが放送した写真には、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長が先月31日、移動式の指揮所とみられる場所から発射を監督する様子や、兵器が上空へと発射される様子を見守る同委員長のシルエットが捉えられている。

 うち数枚には、モザイク処理が多用された。このような秘密主義的な措置は異例で、国営朝鮮中央通信(KCNA)も試験に関する画像を公表していない。これは、この兵器が過去の軍事パレードで披露されておらず、北朝鮮が兵器の特徴を隠そうとしていることを示唆している。

 31日の発射試験について、韓国は短距離弾道ミサイル2発が発射され、250キロ飛行後に海上へ落下したと発表。一方の朝鮮中央通信は「新たに開発された大口径多連装誘導ロケットシステム」だと説明した。

 韓国の首都ソウルは南北朝鮮の軍事境界線から60キロほどしか離れておらず、北朝鮮は以前からソウルを砲撃する能力を備えている。

 韓国国家安保戦略研究所(Institute for National Security Strategy)の趙星瑞(Cho Sung-ryul)研究員は、北朝鮮が実際に機能する高精度の誘導ロケットシステムを保有している場合、韓国内の特定施設に対する新たな脅威となると指摘。「(飛翔<ひしょう>体が)高度30キロで250キロ飛行したとすれば、平沢(Pyeongtaek)の米軍基地に到達可能」であるとし、「北朝鮮は韓国に対する警告を続けているため、このことが見過ごされている」との見解を示した。(c)AFP