【7月31日 AFP】豪ビクトリア(Victoria)州当局は31日、軍事用の銃を使いウォンバットなど野生動物の狩猟ができるとして観光客を誘致していたリゾート施設の捜査を開始したと発表した。

 同州警察と州環境局は31日、AFPの取材に対し、メルボルンから北に車で2時間ほどの場所にある元牧場で何が行われていたか、捜査中だと明かした。この牧場の所有権は、たびたび物議を醸している中国人実業家がもっているという。

 密猟ツアーを企画していたとされるのは、ジュイジュイ・リゾート(Juijui Resort)というリゾート施設。中国のソーシャルメディア「微信(ウィーチャット、WeChat)」に投稿された中国語の宣伝によると、一晩の狩猟体験とメルボルンからのラグジュアリーな送迎付きで1泊2日1000豪ドル(約7万5000円)だとうたっている。

 宿泊客は「二連式ショットガンや小口径のライフル、大口径の狙撃銃を含む」「ありとあらゆる銃」を使うことができるという。「ミリタリーファンの究極の夢」だとして、観光客が銃を持つ画像も投稿されている。

 また宣伝文には「狩猟免許を持つガイドが銃の使い方を説明し、必要な知識をすべて教えるので、狩猟経験が無くても、最良の射手となることを保証します」と書かれ、「野生のウサギ、キツネ、ウォンバット、カモ、アカシカ、サンバー(シカの一種)」などが「あなたと素晴らしい休暇を過ごすのを待っています」とある。

 警察は発表で「ビクトリア州警察は違法な狩猟が行われたという報告があることを把握している」とし「犯罪行為があったかどうか捜査し、判断する」と述べた。

 同州では農場経営者らは、オーストラリアの固有種として保護されているウォンバットなどの駆除について許可を申請できる。一方、野生動物の密猟には、罰金と最高2年の禁錮刑が科される。(c)AFP