【7月31日 AFP】英ロンドンの高等法院(高裁)で30日、強制結婚からの広範な保護措置を裁判所が命じる制度の適用をアラブ首長国連邦(UAE)政府首脳の妻が申請した事案をめぐり、聴聞が実施された。申請は夫婦の子どもに関して行われた。

 ムハンマド・ビン・ラシド・マクトム(Mohammed bin Rashid Al-Maktoum)UAE副大統領兼首相・ドバイ首長(70)の妻、ハヤ妃(Princess Haya、45)は席上、強制結婚からの保護命令と子どもに対する後見、自身に対する虐待の禁止命令を求めた。

 夫婦は子ども2人の福祉をめぐりロンドンで法廷闘争の渦中にあり、ムハンマド氏側は子どもの即時帰国を求めている。

 英政府発行の小冊子によると、強制結婚からの保護命令は、強制結婚をさせられそうになっている人と、すでにさせられている人の両方を支援対象としている。

 申請は当事者だけでなく、関係する第三者にも可能。申請者には、裁判所にどのような保護を希望するかを詳しく説明することが求められており、小冊子は具体例として、同意のない結婚のために保護対象者を英国から連れ出すことを禁じる命令を挙げている。

 ハヤ妃はヨルダンの故フセイン国王(King Hussein)の娘で、アブドラ・イブン・フセイン現国王(King Abdullah Ibun al-Hussein)の異母妹。(c)AFP/Robin MILLARD