【7月30日 AFP】ベトナム中部で、隣国ラオスから密輸された生きたセンザンコウ30匹が、バスの中から発見された。警察と野生生物保護団体が30日、明らかにした。その多くが「脱水症状を示し、衰弱している」という。

 ベトナムでは、絶滅が危惧されるセンザンコウの肉が入手困難な高級珍味とみなされ、またそのうろこはアレルギーや性的不全を治す伝統薬の原料として使用される。

 警察は29日、ハティン(Ha Tinh)省でバスの中から箱に押し込められたセンザンコウ30匹を発見し、バスの運転手とその妻を逮捕した。夫婦はラオスからセンザンコウを輸送し、報酬を受け取っていたという。

 地元の野生生物保護団体によると、4匹は死んでおり、生き残ったセンザンコウもその多くが弱っているという。同団体の職員はAFPに対し、「長い間狭い場所に閉じ込められていたため、大半が脱水症状を示し、衰弱している」と述べた。

 センザンコウは1匹ずつ袋に入れられ、箱に押し込まれていた。数週間、水も餌もほとんど与えられていない恐れがあるという。

 元気を取り戻すまで世話をし、十分に回復した個体は野生に返される予定。(c)AFP