【8月4日 CNS】中国・広東省（Guangdong）河源市（Heyuan）区東江大橋東面の川岸で、遊んでいた小学生の張仰喆（Zhang Yangzhe）君（9）と母親の李小芳（Li Xiaofang）さんが、壊れた橋脚の付近で恐竜の卵の化石のようなものを発見した。河源恐竜博物館のスタッフが発掘調査をしたところ、6600万年前の恐竜の卵の化石11個が見つかった。

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　河源市に住む李さんによると、7月23日午前、地元の東江大橋近くの川岸へ張君と遊びに行ったところ、張君が今年の洪水で橋が流されて壊れた橋脚の露出した土の中から卵の殻を見つけたという。さらに張君は、斜面の赤い砂岩層の中からも、丸い恐竜の卵の化石を1個見つけた。

　李さんはつい最近、地元の河源恐竜博物館に張君を連れて行き、いろいろな恐竜の卵の化石を見せたばかりだった。その中に壊れた卵殻の化石もあったため、張君は一目で分かったという。「斜面の土の中に卵の殻を見つけて、『ママ！これ、恐竜の卵の殻みたいだよ！』と大声で私を呼んだんです」。李さんは、友人を通じて河源恐竜博物館に連絡した。

　河源恐竜博物館研究部の黄志青（Huang Zhiqing）副主任は連絡を受け、警察と現場に駆けつけた。その後の発掘調査で、地下60～70センチ付近から11個の「石の卵」を発掘した。石の卵は直径約9センチで、恐竜の卵だと確認された。

　化石が見つかった赤い砂岩層は、6600万年前の白亜紀後期に形成されたものとみられる。黄副主任によると、11個の卵の化石が発見された場所は、その上に家が建てられていたため、土砂が軟らかくなっていた。泥水により土砂が浸食された後、卵の殻がきれいに温存されており、卵の化石がそのまま見つかるという快挙をもたらした。

　この場所で卵の化石が発見されるのは初めてではない。1999年には、今回の発見場所からわずか500メートルのところで複数の種類の恐竜の卵の化石が発掘された。

　黄副主任は、博物館が専門チームを組み、恐竜の卵の化石を修復すると説明。「まず11個の卵の化石を空調室に入れて乾燥させ、次に損傷した部品を接着して修復するための補強をします。この過程に約1年間をかけ、その後に段階的に展示していきたい」。今回発掘された卵はどんな恐竜の卵か結論は出ておらず、さらなる研究が必要だという。

　河源恐竜博物館は今後、橋脚の付近でさらに調査と発掘をする予定だ。黄副主任は「これまでの経験からみれば、恐竜の卵はもっと見つかるかもしれない」と期待している。

　河源市では1996年以降、直径1.5センチから16センチまでのさまざまな形の恐竜の卵の化石が発掘されるなど、恐竜の卵や骨の化石が多数見つかっており、「恐竜の郷」とも呼ばれている。そのため、恐竜の専門研究機関として「中国古代動物恐竜卵館（河源恐竜博物館）」が建てられた。

　地元の人々は、子どもが化石を見分ける能力を重視している。李さんは「息子がすぐに化石に気付いたのは、日ごろの教育と密接に関連している」という。「この町で生活しているから、恐竜のあらゆることに好奇心が旺盛です。普段から路上や校内で宣伝ポスターなどを見かけるし、子どもが自分から博物館や図書館に行って関連資料を調べることもできる。学校で先生から恐竜の話を聞くと、いつも興味津々で耳を傾けています。普段のこういう教育が、化石の発見につながったと思います」 (c)CNS/JCM/AFPBB News