【7月29日 AFP】香港島にある中国政府の出先機関「香港連絡弁公室(中連弁)」近くの高級住宅街で28日、民主派の抗議デモ参加者らと警察の機動隊が数時間にわたり衝突し、機動隊がデモ隊に向けて催涙弾やゴム弾を発射した。

 警察は前日にも、北西部の元朗(Yuen Long)区で行われた抗議デモで、参加者に催涙弾を発射していた。

 多数のデモ参加者たちは28日、市内で無許可のデモ行進を決行。その後、警察とデモ隊は数時間にわたってにらみ合った。約200人のデモ参加者らは中連弁へ向かうと、機動隊が参加者らに対してメガホンで「違法な集会」をやめるよう求めた。

 最終的に、機動隊がデモ隊に向かって催涙弾やゴム弾を発射。警棒を振り回しながらデモ隊を押し戻そうとする機動隊員らに対し、デモ参加者らはれんがや石を一斉に投げつけた。7週間にわたる抗議デモで、最も長く、暴力的な衝突となった。

「ラプター隊」と呼ばれる、特殊訓練を受けた機動隊員らは、このデモで数十人を逮捕。そのほとんどが、若い男女だった。また、参加者数人と記者2人が負傷した。

 衝突は午後11時30分(日本時間29日午前0時30分)ごろ、デモ参加者らが互いに協調して慌ただしく近くの地下鉄の駅に撤退して終わった。

 1週間前の今月21日には、デモ隊の一部が、中連弁の建物に卵を投げ付けたり、ペンキをかけたりしていた。

 香港政府は29日、「一部の過激なデモ隊が暴力的な行為」をして警察と公共の安全を脅かしているとする声明を発表した。

 世界的な金融のハブ(中心地)である香港は、数週間にわたる反政府デモで揺らいでいる。デモが鎮静化する兆しはみられない。(c)AFP/Jerome TAYLOR, Yan ZHAO