【7月26日 AFP】 LGBT+(性的少数者)コミュニティーを象徴するレインボーカラーの上に大きくバツ印をつけたステッカーを付録につけた雑誌の最新号について、ポーランドの裁判所は25日、販売の一時差し止めを命じた。

 24日に発売されたニュース週刊誌「ガゼタ・ポルスカ(Gazeta Polska)」最新号の付録ステッカーには、「LGBT禁止区域」との文言も書かれている。ステッカーをめぐっては、野党や性的少数者の権利擁護団体だけでなく、駐ポーランド米大使からも非難の声が上がった。

 国民の大半が信心深いカトリック教徒で、10月に総選挙を控えるポーランドでは、性的少数者の権利をめぐり激しい議論が巻き起こっている。右派与党「法と正義(PiS)」の有力な指導者、ヤロスワフ・カチンスキ(Jaroslaw Kaczynski)党首は性的少数者を「脅威」と呼び、この問題を選挙公約の優先課題に掲げている。

 ポーランドの大手書店チェーンEMPIKと英石油大手BP系列のガソリンスタンドは、ステッカー付きの最新号を販売しない方針を表明した。

 ステッカーの文言は、地域社会のほとんどがPiS支持となっている地方自治体レベルで起きている現象を反映したものだ。各自治体はカチンスキ党首の発言を受けて、「LGBTというイデオロギーの禁止」を宣言する決議案を採択している。(c)AFP