【8月10日 AFP】チリ北部のエメラルド色に輝くいくつもの貯水池は、上空から見るととても美しい。だが近寄ってみると、醜悪で危険な秘密が隠されている。そこには鉱業で排出される有毒廃棄物があふれており、時限爆弾のようにその危険性が増しているのだ。

 鉱業はチリ経済における基幹産業だ。だがその副産物は、渓谷や山岳地帯、川底や貯水池などに蓄積され、また鉱滓(こうさい)ダムの造成に使用されることもあるなど、周辺の住民らにいくつもの問題を引き起こしている。

 国立地質鉱業調査所(National Geologic and Mining Service)によると、チリでは100年以上にわたり採鉱を行ってきた結果、鉱滓ダムの数が740か所にまで増加した。

 鉱滓ダムに反対する人々は、土から鉱物を分離する際に使用される化学製品が健康や環境にとって特に有害だとして、その危険性に警鐘を鳴らしている。

 中南米環境紛争観測所(OLCA)のルシオ・クエンカ(Lucio Cuenca)所長は、「これらは地表水や地下水、風で運ばれるちりの汚染源となっている」と指摘している。(c)AFP/Ana FERNANDEZ