【7月26日 AFP】スペイン下院は25日、4月の総選挙で第1党となった社会労働党(PSOE)を率いるペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)首相の続投をめぐる信任投票を再度行い、反対多数で否決した。2015年以降で4度目となる総選挙実施の可能性が高まっている。

 PSOEは総選挙で第1党となったものの、定数350議席の過半数を単独で確保できなかった。急進左派ポデモス(Podemos)との連立政権樹立を模索していたが、協議は24日夜に決裂した。

 23日に行われた第1回目の信任投票に続いて今回の再投票でも、サンチェス氏の信任票は必要とされる過半数に遠く及ばなかった。25日の投票で同氏は、PSOE議員の123票と、同党を支持する地域政党の議員1票しか得られなかった。

 サンチェス氏は今後2か月間で、連立の道を探るなど打開策を講じることとなる。打開策が見つからなければ11月に再び総選挙が行われる。

 今回、総選挙で第4党となったポデモスとの連立協議が成功していれば、スペインで独裁政権後初の連立政権が樹立するはずだった。

 サンチェス氏は、ポデモスのパブロ・イグレシアス(Pablo Iglesias)党首が「入閣して政府をコントロールしたがった」と述べ、その提案は必然的に財政支出の8割を掌握することを意味したと議会に説明した。一方、イグレシアス氏はサンチェス氏について、4月から連立に向けた交渉をほとんどしてこなかったと反論している。

 スペインは現在、北東部カタルーニャ(Catalonia)州の分離独立問題や、高失業率・低賃金・不安定な雇用といった労働問題を抱えている。(c)AFP/Marianne BARRIAUX