【7月23日 AFP】イラン外務省は23日、存続が危ぶまれる核合意をめぐり、オーストリアの首都ウィーンで28日、その他の当事国との緊急会合に出席すると発表した。

 2015年に難航の末に締結された核合意は、米国が2018年に離脱。さらに同国がイランに対して厳しい制裁措置を再開する中、今回の会合は核合意の存続を目指すものとなる。

 イラン側は、核合意の履行の縮減は米国の離脱を受けたものとし、さらに今回の会合は、この「新たな状況」について協議するため、欧州の当事国から要請されたとしている。

 イラン外務省は23日、核合意の略称を用いつつ、「JCPOA(包括的共同行動計画、核合意の正式名称)合同委員会の特別会合を7月28日にウィーンで開催することで合意した」と発表。

 欧州連合(EU)もイランが、核合意にとどまっている当事国の英国、中国、フランス、ドイツ、ロシアの使節と会談することを認めた。

 その一方、イラン革命防衛隊(IRGC)が19日、ホルムズ海峡(Strait of Hormuz)を航行していた英国のタンカーを拿捕(だほ)したことをめぐり、イラン国営メディアは「ステナ・インペロ(Stena Impero)」の乗組員を捉えた新たな映像を放映。

 映像には、インド人18人、ロシア人3人、ラトビア人1人、フィリピン人1人がテーブルを囲んで座ったり、日々の職務をこなしたりしているとみられる様子が映っている。

 スウェーデン企業が所有する同タンカーの拿捕は、英当局が今月4日、EUの制裁に違反してシリアへ原油を輸送していた疑いがあるとして、イランのタンカー1隻を地中海沖で拿捕したことに対する報復とみられている。(c)AFP/Amir Havasi