【7月27日 CNS】中国・浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)は18日から、迷子の犬や野良犬を減らすため、飼い犬にマイクロチップを無料で埋め込むサービスを始めた。チップには1匹ごとの識別IDコードが入っており、犬が迷子になったり盗まれたりした場合でも、IDコードを読み取れば犬の個別情報がわかり、飼い主が見つかりやすくなる。

 杭州市では昨年、子ども連れの母親がリードをつけずに散歩していた犬を追い払ったところ、激高した飼い主に殴りかかられる騒動があり、社会の関心を集めた。これを受けて杭州市は「文明的に犬を飼おう」キャンペーンを強化し、市民の間ではルールに基づいた飼育が浸透してきている。さらに迷子の犬を減らし、野良犬が人を襲う事態を防ぐため、杭州市都市管理局は国内外の先進都市を参考に、飼い犬に無料でマイクロチップを埋め込むサービスを始めた。

 都市管理局の担当者によると、マイクロチップは米粒ほどの大きさで、充電の必要はなく、犬の体への副作用は心配ない。背中の皮下組織に埋め込めばチップが落ちてしまう可能性は低く、チップの有効期間も犬の寿命を超えるという。マイクロチップが普及すれば、捨て犬行為を防止して野犬を減らすことにつながるほか、犬の盗難や迷子、野良犬が人を襲うなどのトラブルの発生を減らすことが期待される。

「飼い主の中には、個人情報の漏えいを心配する人がいるかもしれません。マイクロチップからは犬の名前や種類、飼い主の名前、連絡先などの情報が読み取ることはできますが、権限のあるスタッフしか読み取り操作はできません。それに個人情報はネットワークシステム内部にあり、チップそのものには個人情報は記録されていません」と都市管理局の担当者は説明する。

 杭州市は厳格な手順に基づいた埋め込みマニュアルを完成し、市内の36の動物病院に無料サービスを実施するよう依頼した。都市管理局は、病気の犬や、生まれたばかりの幼犬、妊娠中の犬などには埋め込みを遅らせるべきだともアドバイスしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News