■「誤報」と「デマ」の違いを学ぶ

 動画や写真の加工を含め、デマは以前よりもずっと巧妙になっており、そうしたものを見抜くには斬新な方法が必要だ。

 ロシア・サンクトペテルブルク大学(Saint Petersburg University)の上級講師、カミーラ・ニグマトゥーリン(Kamilla Nigmatullina)氏はAFPに、さまざまな領域の研究者と共同研究をする必要があるとして、「例えば、人はなぜ特定の情報をシェアしようとするのか、その理由について神経科学を専攻する学生らと研究を行うことも考えられる」と述べた。

 欧州ジャーナリズム養成協会(EJTA)が主催したプロジェクトには、ジャーナリズムを教えている13か国・20校近い学校の学生たちが参加し、欧州議会(European Parliament)選挙を前にさまざまな記事のファクトチェックを行った。

 プロジェクトの責任者で、ベルギーのアルテジス・プランタイン大学(Artesis Plantijn University)のナディア・ビサー(Nadia Vissers)氏は、目的の一つは「誤報」と「デマ」の違いを学ぶことにあると主張。「誤報は、害を及ぼそうという意図はなく流された誤った情報」である一方、「デマは、うそを広めて人に影響を及ぼす意図をもったもの」だと説明した。

 例えば、移民や気候変動、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)などについて誤解を招くようなメディアの情報は、「ほぼ事実」「ほぼ誤り」「誤り」「検証不可能」に分類できるという。(c)AFP/Lynne SCHOEMAN