【7月20日 AFP】ブラジルの極右ジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領は19日、外国特派員らに対して、自国に飢餓は存在しないと断言し、街を見渡しても、がりがりに痩せている人はいないことがその証拠だと主張した。

 ボルソナロ氏は外国特派員らに対し、ブラジルには十分な食料を得られていない人々がいるという主張は、「ポピュリスト(大衆迎合主義者)」の「大うそ」と切り捨て、「ブラジルで飢餓が発生しているというのは、人気取りを狙ったポピュリストの言い分にすぎない」と主張。「中には、満足な食事が取れず、ひもじい思いをしている国民もいる」と認めつつも、「ブラジルには確かに食事に関する問題があることは事実だが、それは私のせいではない。この問題は私が大統領になる前から存在していた」と強調した。

 国連食糧農業機関(FAO)の最新統計によれば、人口約2億1000万のブラジルで、約510万人が栄養不良状態にある。ただし、栄養不良人口の比率は、1999~2001年の11.9%から2008~2010年には2.5%未満へと減少している。

 FAOはこの要因として、ルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)元大統領時代の左派政権による「ゼロ飢饉(ききん)」計画などの社会福祉政策を挙げている。

 影響力を持つロドリゴ・マイア(Rodrigo Maia)下院議長は有力紙グロボ(O Globo)との最近のインタビューで、ボルソナロ氏は貧困層に無関心だと批判している。(c)AFP