【5月4日 AFP】サッカー元ブラジル代表で、スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)などで活躍したロナウジーニョ(Ronaldinho)氏が、競技生活から退いた後の第二の人生としてラッパーの道を見いだした。

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 2005年にバロンドール(Ballon d'Or)を受賞したロナウジーニョ氏は、ブラジル人歌手のジョルジ・ヴェルシーロ(Jorge Vercillo)とのデュエットで、母国の腐敗を批判する内容の楽曲をリリースした。

 レコーディングスタジオで撮影された動画の中で、ロナウジーニョ氏は黒のベレー帽をかぶり、聖ゲオルギオス(Saint George)がドラゴン退治をしているイメージが描かれた白のタンクトップを着て歌っている姿を公開した。

 さらに、曲の途中では打楽器をたたいたり、30秒間のラップソロでは「初めから終わりまで、愛こそが俺たちのゲーム。俺たちの心にもはや敵はいない」と歌うと、よろいに身を包んだキリスト教の聖人に、強欲で腐敗したドラゴンを退治してくれと頼んだり、コーラスパートでは公的資金を無駄遣いして「学校や病院」が犠牲になっていると嘆いたりする歌詞も披露した。

 2018年1月にサッカー人生に幕を閉じた39歳のロナウジーニョ氏が、歌を披露するのはこれが初めてではない。これまでにもチュニジアのラッパーK2rhymとコラボレーションした経験があるほか、同年のW杯ロシア大会(2018 World Cup)では米俳優のウィル・スミス(Will Smith)、同ラテン歌手のニッキー・ジャム(Nicky Jam)、そしてコソボのシンガー、エラ・イストレフィ(Era Istrefi)と大会の公式テーマソングを担当し、モスクワのルジニキ・スタジアム(Luzhniki Stadium)で行われた閉会式では、サプライズで登場してドラムパフォーマンスを披露した。

 しかしながら、世界的な元MFのロナウジーニョ氏は問題とは無縁というわけではない。同年11月には、ブラジル南部リオグランデドスル(Rio Grande do Sul)州のビル建設で環境にダメージを与えたとして罰金230万ドル(約2億5500万円)を科されたものの、それを滞納して兄のロベルト・デ・アシス(Roberto de Assis)氏とともに裁判所からパスポートの没収を命じられたことがある。

 さらに、昨年のブラジル大統領選挙では極右政党のPRBに加わり、ジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)現大統領の支持を訴えた。ボルソナロ大統領は汚職との闘いを公約に掲げて当選したが、1月に政権を握って以降自身のスキャンダルに直面している。(c)AFP