【7月20日 AFP】(更新)ペルシャ湾(Persian Gulf)での緊張が高まる中、サウジアラビアは、米国と協調して地域の安全と安定を守るため、国内に米軍部隊を駐留させることを決定した。サウジ国防省が発表した。

 国営サウジ通信(SPA)は国防省報道官の話として、「サウジアラビアと米国の相互協力と、地域の安全と安定の維持につながるすべてを強化するという両国の強い願望に基づき…サルマン国王(King Salman)は米軍の駐留を承認した」と伝えた。

 サウジアラビアに米軍が駐留するのは、2003年に米軍が対イラク戦争終結後に撤退して以来となる。

 米軍は、イラクによるクウェート侵攻を受けて実行された1991年の「砂漠の嵐作戦(Operation Desert Storm)」以降、12年間サウジアラビアに駐留した。

 イラク戦争が最も激化した際には、首都リヤドから約80キロ南に位置するプリンス・スルタン空軍基地(Prince Sultan Air Base)に米軍の戦闘機200機が配備され、サウジアラビア国内に設けられた司令部が日に2700件もの任務を指揮した。

 しかし、12年の間の両国関係は必ずしも常に良好ではなく、とりわけ2001年9月11日に国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の指導者でサウジアラビア出身の故ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者が指示した米同時多発攻撃後に関係は悪化した。

 ペルシャ湾の情勢は緊迫度を増しており、19日にはイランがホルムズ海峡(Strait of Hormuz)で英国のタンカーを拿捕(だほ)したと発表。前日18日にはドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が、米艦艇を脅かしたとしてイランの無人機(ドローン)を撃墜したと発表したが、イラン政府はこれを否定していた。(c)AFP