【7月19日 AFP】英下院は18日、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)について、EUとの離脱協定を結ばない「合意なき離脱」を強行するいかなる試みも阻止することを定めた法案を賛成多数で可決した。与党・保守党の議員の一部も賛成票を投じた。この法案により、次期首相が議会を休会して合意なき離脱を強行することが困難になる。

 同法案は賛成315票、反対274票で可決。前ロンドン市長で、来週24日に次期首相就任が濃厚なボリス・ジョンソン(Boris Johnson)氏は合意なき離脱も辞さないと主張しており、今回の法案可決は同氏にとって大きな妨げになるといえる。

 政府は議員らに対し法案に反対票を投じるよう呼び掛けていたが、保守党議員のうち17人が賛成に回り、さらにフィリップ・ハモンド(Philip Hammond)財務相を含めた数十人が棄権した。

 英スカイニューズ(Sky News)がジョンソン氏に近い筋の情報として報じたところによると、ジョンソン氏は首相就任後に議会を休会してでも合意なき離脱を強行する可能性も示唆していた。

 だが、保守党内における合意なき離脱反対派の規模は、ジョンソン氏が就任後に強硬策を推し進めた場合、直面するとみられる困難な状況を明示している。

 離脱の最新の期限は、EU側との延長合意がない限り、10月31日となっている。ジョンソン氏はEUと新たな交渉を進めるとしているが、包括的な合意の有無にかかわらず、英国をEUから離脱させる用意があると述べている。(c)AFP