【7月10日 AFP】英国の最大野党・労働党は9日、同国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)をめぐる国民投票の再実施を条件付きで支持する方針を初めて表明し、EU残留への投票を呼び掛ける意向を示した。

 労働党は今後、次期首相となる与党・保守党党首選の勝者に対し、EUとの間で合意に達した離脱協定案を国民投票にかけるよう要求する構え。投票には「残留を選択肢に含め、労働党は残留を訴える運動を行う」という。

 この問題は労働党を二分していた。EU離脱の是非が問われた2016年の国民投票では、労働者階級の多くが離脱を支持。一方で、労働党議員の多くはEU残留を強く支持している。

 労働党のジェレミー・コービン(Jeremy Corbyn)党首は、長年にわたりEU懐疑派の立場を取ってきており、国民投票の再実施を求める強い圧力に抵抗してきた。しかし8日、労働党と関係を持つ労働組合が国民投票の再実施に賛同した後、圧力に屈した。

 労働党は、合意なき離脱や保守党が取り付けた協定案を拒否し、EU残留を支持する構え。ただ、労働党がEU離脱前に政権を握った場合の方針は、同党がEU側とどのような協定で合意できるかによって変わってくる。(c)AFP