【7月18日 AFP】米検察は17日、当時10代の男性に対する強制わいせつなどの罪に問われていた米俳優ケヴィン・スペイシー(Kevin Spacey)さん(59)に対する起訴を取り下げた。被害者とされるウィリアム・リトル(William Little)さんが証言を拒否したことで、裁判が立ち行かなくなった。

 リトルさんは18歳だった2016年7月、マサチューセッツ州の高級リゾート、ナンタケット(Nantucket)島のバーでウエーターとして勤務していた時、スペイシーさんに体をまさぐられたと訴えていた。

 この事件の重要証拠であるリトルさんのスマートフォンが損なわれた可能性が明らかになると、リトルさんは米憲法第5修正(Fifth Amendment)に基づく自己負罪拒否特権の行使を選んだ。

 リトルさんは、事件の動画をスマートフォンで撮影したと主張。しかし、被告人側が証拠調べを請求したスマートフォンの行方が分からなくなったことが、リトルさんと両親によって確認された。両親はいずれも証人として呼び出されていた。

 スマートフォンについて、警察官はすべての情報を抽出した後、リトルさん一家に返却したが、その際に受領証の要求を怠ったと認めた。一方、リトルさん一家は、スマートフォンを受け取っていないと主張していた。

 リトルさんの母親で、ボストン(Boston)地域ではニュースキャスターとして知られるヘザー・ウンルー(Heather Unruh)さんは、警察にスマートフォンを提出する前、恥ずかしい思いをする可能性のある写真数枚を削除したと認める一方、強制わいせつ事件に関するものは一切削除していないと主張していた。(c)AFP