【7月22日 CNS】仮想通貨(暗号資産)のビットコイン(Bitcoin)を手に入れるマイニング(採掘)作業に必要な電気を近くの工場から無断で使用したとして、中国・江蘇省(Jiangsu)鎮江市(Zhenjiang)丹徒区検察院(地検)は、13人の容疑者を逮捕した。盗んだ電気代は3億円相当に上り、地検は「3・7大規模電気窃盗事件」と名付けて捜査を続けている。

 地検によると、このグループは2017年3月から2019年5月までの2年間余りに、盗んだ電気で数千台のコンピューターを動かしてマイニングを行い、巨額の利益を手に入れていた疑いがある。

 犯行グループは、数千台のコンピューターを購入し、鎮江市郊外の10以上の工場から作業フロアを借りて、コンピューターを設置。しかし、彼らはフロアの電線を利用せず、近くの工場などから勝手に電線を引いていた。グループの中で電気設備に詳しいメンバーが、短期間のみコンピューターに接続するなどの方法で、工場に気付かれないよう電気を大量に盗んだという。

 しかし、地域で大量の電気が使用され、工場付近の電力網が異常になったことに気付いた地元電力会社の担当部署が警察に通報した。現場検証やデータ分析により、電気の「大量盗難」が判明。犯行グループの摘発につながった。

 インターネットで取引される仮想通貨は、国営銀行のような管理者がおらず、世界中の人が取引内容を記録・確認することで信用を確保している。記録に必要な計算をした人には報酬として仮想通貨が支払われ、その手法は鉱山で金などを掘る行為にちなみ「マイニング」と呼ばれる。

 仮想通貨の高騰に伴い、マイニングで大金を手に入れようとする人が世界各地で増えている。マイニングで求められるのは、ライバルを上回る計算の速さと、膨大な電気代の支払いだ。専門家によると、1000台のコンピューターを同時に24時間作動すれば、1日の電気代は2万元(約32万円)以上となる。ビットコインを手に入れても利益が出ない場合もあるため、犯罪に手を染める者もいるという。(c)CNS-揚子晚報/JCM/AFPBB News