【7月16日 AFP】イランの原子力庁は15日、同国の核開発の状況を、2015年の核合意によって制限が課される前の状態に戻す可能性があると表明した。

 国営イラン通信(IRNA)によると、原子力庁のベフルーズ・カマルバンディ(Behrouz Kamalvandi)報道官は「欧州諸国と米国が義務を遂行したくないのであれば……われわれ側も確約を減らし、4年前の状況に戻す」と言明。「これらの行動は強情によるものではない。外交に機会を与え、相手側が正気に返って自らの義務を果たすようにするためのものだ」と述べた。

 イランが主要国との間で結んだ画期的な核合意では、経済的な見返りとイランへの制裁緩和が約束されていた。だが、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は昨年5月に合意から離脱し、イランに対する厳しい制裁措置を再開した。

 欧州諸国の外相は15日、ベルギーの首都ブリュッセルで会合を開き、危機に陥っている核合意について話し合った。欧州の核合意参加国である英国、フランス、ドイツは14日、米・イラン間の緊張激化を受け、対話を呼びかけていた。(c)AFP