【7月12日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は11日、2020年の国勢調査で市民権を持っているかどうか尋ねる質問を新たに盛り込むことについて、正式に断念を表明した。国勢調査で市民権の有無を問う方針をめぐっては人権擁護派などから反対の声が上がっていた。

 米国では国勢調査は10年ごとに行われ、その回答結果に基づき連邦政府の財源割り当てが決められる。反対派は質問の追加について、政権側に移民コミュニティーの回答率を下げる狙いがあると指摘していた。

 一方でトランプ氏はホワイトハウス(White House)で行われた記者会見で、「米市民権のない人の数を完全かつ適宜に把握できるよう、新たな方策を模索している」と述べた。

 米連邦最高裁判所は先月27日、トランプ政権の主張は「信頼性に欠ける」と指摘した上で国勢調査に市民権をめぐる質問を加えることは認められないとする判決を下し、質問追加をめぐる法的・政治的な争いに事実上終止符を打った。

 保守派が多数派を占める最高裁にくぎを刺された形となったものの、その後もトランプ氏は大統領令による質問追加の可能性を示唆していたほか、国勢調査自体の延期の可能性もにおわせていた。(c)AFP