■2008年大会決勝 勝者ナダル(6-4、6-4、6-7 <5-7>、6-7 <8-10>、9-7)

 過去最高との呼び声が高いグランドスラム決勝を制したナダルがフェデラーの連覇を5で止めた。

 すでにローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)で四つのタイトルを獲得していたナダルは、第4セットの壮絶なタイブレークで二つ、最終セットでも一つのマッチポイントをふいにしたが、ウィンブルドン史上最長の決勝を制して初の栄冠に輝いた。

 フェデラーの大会6連覇を阻止したナダルは、「優勝できるなんて考えたこともなかったから夢みたいだ」と勝利をかみしめた。「いくつかマッチポイントがあったがロジャーは本当にタフだ。今でも彼がナンバーワンであり、ベストの選手だ」

 敗れたフェデラーは、より優れていた相手に負けたと認めた。「できることはすべてやった。ラファは勝者に値する。彼のプレーはただただ素晴らしかった」

 フェデラーにもチャンスはあったが、52本のアンフォーストエラーを犯し、ブレークポイントは13本中1本しか生かせなかった。これにより6年に及んだフェデラーのグラスコートでの連勝記録は65で止まった。

 22歳のナダルはこの年に全仏とウィンブルドンで優勝。1980年のボルグ氏以来3人目の快挙となった。また、スペイン人のウィンブルドン制覇は1966年のサンタナ氏以来だった。

 4時間48分の熱戦は、ウィンブルドン決勝ではジミー・コナーズ(Jimmy Connors)氏がジョン・マッケンロー(John McEnroe)氏に勝利した1982年の4時間16分を破り史上最長で、決着がついたのはセンターコートが暗闇に包まれそうになった現地時間午後9時16分だった。

 試合は雨により何度も中断。実際にかかった時間は7時間に及んだ。レジェンドのマッケンロー氏は「史上最高の試合」と激戦を戦い抜いた両者をたたえた。(c)AFP