【7月11日 AFP】イラン政府が2015年の核合意で定められたウラン濃縮度の上限を超過したと発表したことを受け、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は10日、イランに対する制裁が間もなく「大幅に強化される」と警告した。

 トランプ大統領はツイッター(Twitter)への書き込みで、「イランは、ひそかに長期にわたって『濃縮』を行ってきた、ジョン・ケリー(John Kerry)とバラク・オバマ(Barack Obama)の政権が結んだ1500億ドル(約16兆円)規模のひどい合意に完全に違反している」と表明。「この合意は数年のうちに期限が切れることを忘れないように。制裁は間もなく大幅に強化される!」と投稿した。

 ケリー前国務長官は2015年にイランが主要国との間で結んだ核合意「包括的共同行動計画(JCPOA)」へとつながった外交努力を指揮した。合意では、イランが核開発を大幅に制限することと引き換えに、制裁緩和と経済的な見返り、国際社会での孤立を終わらせることが約束されていた。

 しかし、トランプ大統領は米国の核合意離脱を決定し、厳しい制裁措置を再開。イラン政府は、欧州諸国がその後1年以上にわたり行動を起こしていないとして、忍耐の限界に達したと表明している。

 イラン政府は8日、同国のウラン濃縮度が4.5%を超えたと発表。これは核合意の定める限度3.67%を超過しているが、軍事利用に必要な90%よりははるかに低い。(c)AFP