【7月9日 CNS】中国浙江省(Zhejiang)紹興市(Shaoxing)にある人民病院で6月下旬、ソマリア人留学生のバースさんが、流ちょうな中国語で入院患者と病状について話し合っていた。バースさんのように、中国政府が進めるプロジェクト「一帯一路(Belt and Road)」と協力関係にある国々から来た合計17人の留学生が、この病院で3年間、臨床医学を学んでいる。

 かつて陸と海のシルクロードで結ばれていた国々と中国の間でインフラ事業などを推し進める「一帯一路」が始まってからの6年間、沿線にある国々から中国に留学する学生の数は年々増え続けている。教育省によると、「一帯一路」に関係のある64か国の留学生の数は2018年に26万人に達し、留学生全体の53%を占めている。

「私は幼い頃から医学が好きでした。中国には医学を学ぶ環境がたくさんあり、中国人は性格が温かくてフレンドリーであることも知っていたので、中国にやって来たんです」。6年前、夢を持って留学に来たネパールの学生アデシーさんは、今は心臓内科を専攻する研究生だ。

 ソマリア出身のアブさんは、中国の医学研究の将来性と歴史・文化に興味を持ち、留学先に選んだ。「うちの家族はみんな中国が大好きです」とアブさん。中国で留学した5年間、医学の習得に専念してきたのと同時に、中国の多くの都市を旅してきた。「紹興で一番引かれたのは2500年に及ぶその歴史。魯迅(Lu Xun)の故郷は最初に訪れました」

 海外留学生たちが中国の医学や文化などに触れ合うのを通じ、中国と母国のそれぞれの特性を理解していけば、彼らは中国と各国の懸け橋として交流を促進する「使者」となるだろう。

「中国の文化は非常に奥深く、科学技術も交通システムも非常に発達しています。私は将来、中国で見聞したことを母国に持ち帰り、友人たちにこの国の魅力を伝えていきたい」。アデシーさんは流ちょうな中国語で夢を語った。「将来、ネパールで医師になったら、ネパールに暮らしている中国人を治療することもあるでしょう。中国人の患者さんが自分の家のような温かさを感じられるよう、中国語を使ってコミュニケーションを図りたいですね」と目を輝かせる。

 バースさんも「留学後は中国で学んだ医療文化と技術をソマリアに持ち帰り、医療を通じて両国間の交流と協力を促進していきたいと考えています」と語った。(c)CNS/JCM/AFPBB News