【7月8日 AFP】女子サッカーW杯フランス大会(FIFA Women's World Cup 2019)を制した米国代表で、大会最優秀選手と得点王のタイトルを獲得したミーガン・ラピノー(Megan Rapinoe)が、「話し合いの席について対策に取り組むべき時」と男女平等へ向けた行動を起こすよう訴えた。

 オランダとの決勝戦で、ラピノーはPKから先制点を決めて2-0の勝利とチームのW杯連覇に貢献。この1か月を通じて一番のスターだった34歳は、大会MVPに輝くとともに、通算6ゴールで得点王の座も獲得した。

 その一方でラピノーは、米国サッカー連盟(USSF)による性差別を糾弾し、平等な賃金と労働条件の実現を求める訴訟を起こした代表チームの中で、中心的な役割を担ってきた人物でもある。

 そのラピノーは、優勝後にスタンドの米国ファンから報酬の平等を訴えるチャントが響くのを耳にした後、表彰式で「社交辞令」を交わしたという国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長、さらにはUSSFのカルロス・コルデイロ(Carlos Cordeiro)会長の名前も出しながら、次のように語った。

「誰もが次は何だ、何が望みなんだと聞いてくるようなので言いますが、今こそ賃金の平等や、その妥当性に関する議論をやめるべき時でしょう」「次にするべきは何か。それはみんなが話し合いの席について、この問題に取り組むことです」

「この試合は、私たち全員にとって非常に大きな意味を持っています。私たちはこの決勝に多くをささげました。この試合は、ピッチ上で男女のサッカーに違いはないということの証明だと思っています。しかし他の部分がそれに見合った状況になっているかというと、そうは思えません」

 今大会のラピノーについては、優勝した場合でもドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の元は訪問しないという発言も波紋を呼んだ。その大統領は、当初はラピノーを非難していたが、試合後にはツイッター(Twitter)で優勝を祝福するメッセージを送っている。

 ラピノーは、大会後にホワイトハウス(White House)を表敬訪問する可能性については明言を避け、「私たちは強さと誇り、反骨の精神を備えた女性の集団。特に言うことはないと思う」とコメント。チームを率いるジル・エリス(Jill Ellis)監督も「招かれていないので何とも言えない」とだけ答え、必ず招待されるはずではという質問に対しては「そうとは限らない」と返した。(c)AFP/Andy SCOTT