【7月29日 AFP】ツール・ド・フランス(2019 Tour de France)は28日、第21ステージ(ランブイエからパリ・シャンゼリゼ、128キロメートル)が行われ、チームイネオス(Team Ineos)のエガン・ベルナル(Egan Bernal、コロンビア)が総合優勝を飾った。

 凱旋(がいせん)門(Arc de Triomphe)の背後に夕日が沈む中、22歳のベルナルはフランス全土にまたがる3400キロメートルに迫る全21ステージを走破し、コロンビア人選手として史上初、そして直近約100年では最年少の王者に輝いた。

 シャンゼリゼ(Champs-Elysees)通りには、最終盤に訪れるツール恒例の周回レースを見届けようと多くのコロンビア人が押し寄せ、両親や弟、恋人のシオミー・ゲレーロ(Xiomy Guerrero)さんに温かく出迎えられたベルナルはチームメートと抱擁した。

 ベルナルは「世界最高のレースを開催し、これまでで最高の勝利をつかめるよう準備してくれたフランスに感謝する」と、フランス語でコメントした。

 涙を浮かべながら「優勝できたことがただ信じられない」と語ったベルナルは、1分11秒遅れで2位となったチームメートのゲラント・トーマス(Geraint Thomas、英国)、3位につけたチーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)のステーフェン・クラウスヴァイク(Steven Kruijswijk、オランダ)とともに表彰台に立った。

 ベルナルは片手を左胸にやるとコロンビア国歌を歌い、大観衆に向け話しかけた。

 ベルナルは「チームメートの全員にありがとうと言いたい。チャンスを与えてくれた『G(トーマスの愛称)』にも」と述べ、自身がアルプス(Alps)で仕掛けることがチームにとってより良い選択であると容認した前年王者のトーマスをたたえた。

「きょうの僕は世界で一番幸せ。ツール・ド・フランスで総合優勝したんだ」と述べたベルナルは、フランス語で「フランス万歳、コロンビア万歳」と締めくくった。

 史上最も標高が高いツールと呼ばれた今大会のコース設定は、標高約2600メートルの場所で育ったベルナルにとって好都合なものだった。ベルナルは七つの山岳ステージと五つの頂上フィニッシュが用意された今回のコースを攻略し、僅差で2位に競り勝った。

 ベルナルは、2位のトーマスがポー(Pau)で崩れるなどした4日にわたる過酷な暑さを乗り切ったり、激しいひょうにより前方のコースで土砂崩れが発生し、下り坂を時速100キロで進む中で呼び止められたりもした。

 今年は、地元フランスの英雄であるドゥクーニンク・クイックステップ(Deceuninck Quick Step)のジュリアン・アラフィリップ(Julian Alaphilippe、フランス)が14日間にわたりマイヨ・ジョーヌ(イエロージャージー)を維持するなどレースをスリリングなものにしたが、26日に行われた第19ステージでベルナルが総合首位に浮上していた。

 また、この日の第21ステージでは、ロット・ソウダル(Lotto Soudal)のカレブ・ユアン(Caleb Ewan、オーストラリア)が最後の集団スプリントを制し、今大会3勝目を収めている。(c)AFP/Damian MCCALL