【7月27日 AFP】ツール・ド・フランス(2019 Tour de France)は26日、第19ステージ(サンジャンドモーリエンヌからティニュ、126.5キロメートル)が行われ、悪天候でステージが短縮される中で、チームイネオス(Team Ineos)のエガン・ベルナル(Egan Bernal、コロンビア)が2日連続の単独アタックでライバルを引き離し、総合首位に躍り出た。

 コロンビア勢で初のツール制覇を目指す22歳のベルナルは、悪天候のためすでにコース短縮が決まった27日の第20ステージで、酸素が薄い標高2356メートルのスキーリゾート、バルトランス(Val Torrens)まで33キロメートル続く厳しい上り坂に直面する。

 標高2600メートルの場所で育ち、そうした厳しい環境に慣れているベルナルは、25日の第18ステージで上位との差を少なくとも27秒縮めると、この日も峠で再びライバル勢を置き去りにして総合トップを奪取した。

 チームの共同キャプテンを務めるベルナルが第20ステージも総合首位をキープすれば、仏パリまでのパレード走行となる28日の最終ステージでは、メイン集団でフィニッシュラインを通過するだけでコロンビア勢初の栄冠に輝くことになる。

 前日までマイヨ・ジョーヌ(イエロージャージー)を維持していたドゥクーニンク・クイックステップ(Deceuninck Quick Step)のジュリアン・アラフィリップ(Julian Alaphilippe、フランス)を48秒差の2位に後退させ、近代史上最年少でのツール制覇に近づいたベルナルは、「自転車レースが大好きだ。アドレナリンが出るのも、こうしたわくわくするような大舞台に出るのも、ものすごく好きだ」とコメントした。

 この日はベルナルがスタート直後から一気に加速する中で、激しいひょうの嵐が吹き荒れた上に土砂崩れが発生し、主催者は急きょレースを止めざるを得なくなった。

 今大会最年少のベルナルは、「最高にスピードにのっていたときに止まれと言われて、『まさか、今はやめてくれ、頼むから』」と言ったよ」「だけど、大丈夫だと言われた。僕が新たな総合首位だって。それで指示を受け入れて自転車を止めた」とレースを振り返った。

 ステージの打ち切りが決まり、レースを止めた主催者は、峠までのタイムをステージの結果に反映させるとした。その後ステージ優勝者はなしと発表された。

 フランス勢として1985年のベルナール・イノー(Bernard Hinault)氏以来のツール制覇を目指していたアラフィリップは、今ステージで総合優勝を決定的にしたいところだったが、ベルナルのアタックによってそれが阻止されてしまった。(c)AFP/Damian MCCALL