【7月6日 AFP】米イリノイ州シカゴの病院で、回復の見込みがないと医師らに伝えられた男性患者の家族が生命維持装置を外すことに同意し、3日後に死亡した後でその患者が別人だったことが分かり、この家族と、身元が特定された男性の家族が今週、過失があったとして病院とシカゴ警察を提訴した。

 人違いが起きたのは4月下旬。シカゴで自動車の下敷きになって重傷を負っている裸の男性が、シカゴのマーシー病院(Mercy Hospital)に搬送された。

 アルフォンソ・ベネット(Alfonso Bennett)さんの姉妹は、シカゴ警察からこの男性がベネットさんであると連絡を受けた。男性の身元について姉妹は疑問も抱いたが、最終的には生命維持装置を外し、ホスピスに入院させることに同意した。男性は3日後、ホスピスで死亡した。

 ベネットさんの姉妹が記者会見で語ったところによると、ベネットさんの葬儀の準備をしていたところ、ベネットさん本人が友人宅で開かれたバーベキューパーティーに現れ、その場にいた友人から連絡を受けたという。

 死亡した男性はその後、指紋からイライシャ・ブリットマン(Elisha Brittman)さん(69)と判明した。

 ベネットさんの家族とブリットマンさんの家族は記者会見で、シカゴ警察とマーシー病院に過失があったとして、イリノイ州クック(Cook)郡の巡回裁判所に提訴したことを発表した。

 両家族の弁護士は「今回の人違いは、容易に避けられたはずのもので、避けられるべきものだったと考えている」と述べた。

 シカゴ警察はシカゴ・トリビューン(Chicago Tribune)紙で、本件に関する調査を開始したことを明らかにしている。(c)AFP