【7月6日 AFP】男子テニスのお騒がせ選手ニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)について、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2019)の混合ダブルスでペアを組むデシラエ・クラウチェク(Desirae Krawczyk、米国)は5日、AFPの取材に対し、「面白いショーを見せるいい人」と称した。

 かんしゃく持ちで知られるキリオスは、4日に行われたウィンブルドンの男子シングルス2回戦で、通算2度の大会制覇を誇るラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)との因縁対決に臨み、荒れた試合展開の中で4セットの末に敗れた。

 この一戦では審判に「恥さらしで、みじめったらしい」と暴言を吐くなどのスポーツマンらしからぬ行為を見せたほか、ナダルにフォアハンドのボディーショットを打ち込んだのは意図的だったと認めた上で、謝罪する気はまったくないと言い放った。

 しかし、25歳のクラウチェクは今大会のパートナーである24歳のキリオスの弁護にまわり、「彼は独特のキャラクター。面白いショーを見せるいい人だと思う」とすると、「素晴らしい選手。才能に恵まれているし、技術も何もかも持っている」「発言に関しては、あまり気にしていない」と話した。

 ポーランド人の父親とフィリピン人の母親を持つクラウチェクによると、キリオスとのペア結成は突然のことだったという。「別の大会に出ていたとき、彼からメールがきたの。思いつきで聞くけど、自分と混合ダブルスに出る気はあるかって」「私は『ええ、もちろん』と答えた」

「トーナメントではお互いに顔見知りだった。ただ「どうも」とか「やあ」と話す程度だったけれど、共通の友人がいた」「話しかけられたことはほとんどなかったけど、きっと楽めると思った。混合ダブルスはいつも楽しいし年4回しかない機会だから、きっとプラスになるだろうって」

 18番コートで行われた同日の1回戦で、キリオス/クラウチェク組は7-6(7-4)、6-7(4-7)、5-7でマーカス・ダニエル(Marcus Daniell、ニュージーランド)/ジェニファー・ブレイディ(Jennifer Brady、米国)組に敗れた。

 試合後にAFPの取材に応じたキリオスは、「彼女に打診したとき、おべっかを言う感じで終わりたくなかった。ただ純粋にプレーしたかった」「とにかく、すごく楽しめた。負けてしまったのは、実のところシングルスより悔しいけどね」「ダブルスは大好きで、出場を望んでいた。勝てなくて悔しいよ。本当に勝ちたかった」とコメントした。(c)AFP/Dave JAMES