【7月5日 AFP】男子テニス、オーストラリアのバーナード・トミック(Bernard Tomic)が4日、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2019)のシングルス1回戦で無気力プレーをしたと見なされ、賞金4万5000ポンド(約610万円)を全額剥奪された。しかし、同胞のニック・キリオス(Nick Kyrgios)は、この決定について「常軌を逸している」と猛反発した。

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 母国メディアから燃料積載容量が少ないことを皮肉って「タンク機関車」と呼ばれるトミックと同じく、気が短いことで知られるキリオスは、「彼の賞金が全部剥奪されるのは納得できない。実力でドローを勝ち取ったんだ」とかみついた。

「今季ずっとプレーしてきた結果、彼がこの世界で最も権威ある大会の出場権を勝ち取ったのは明白だ。それなのに賞金を全部取り上げるなんて、常軌を逸している」

 これまでも無気力プレーなどの前科があり、お騒がせ選手として知られるトミックは、2日に行われた1回戦でジョーウィルフリード・ツォンガ(Jo-Wilfried Tsonga、フランス)に2-6、1-6、4-6で惨敗した。

 この一戦の所要時間はわずか58分で、今大会の男子シングルスでは最も短いものとなっており、2セット先取の女子シングルス1回戦でエリーゼ・メルテンス(Elise Mertens、ベルギー)がフィオナ・フェロ(Fiona Ferro、フランス)を48分で下したのに次ぐ最短試合となっている。

 主催者のオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(AELTC)は、コメント文を発表し、「ジョーウィルフリード・ツォンガとの1回戦におけるバーナード・トミックのパフォーマンスは、プロとして要求される水準に達していなかったというのが審判の見解である」「従って、賞金4万5000ポンドの全額を没収する」と述べた。

 2011年大会では8強入りを果たした実績を持つも、現在は世界96位に低迷するトミックは、「自分は全力でプレーした。ただ、内容がひどかっただけだ」と弁明。ウィンブルドンでの戦いぶりに満足しているか問われると、「次の質問」とさえぎり、さらに他の質問に答えるのも拒否した。(c)AFP/Dave JAMES