【7月5日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2019)の女子シングルスに出場している15歳のコリ・ガウフ(Cori Gauff、米国)は、ここまでの快進撃と愛嬌(あいきょう)のあるキャラクターで脚光を浴びている一方で、ツアー仲間からのアドバイスにも事欠かない。

 おっちょこちょいな性格を自称しながらも、コート内外でかなりの落ち着きぶりを発揮しているガウフは、通算5度のウィンブルドン制覇を誇るヴィーナス・ウィリアムス(Venus Williams、米国)と2017年大会で4強入りしたマグダレナ・リバリコワ(Magdalena Rybarikova、スロバキア)を立て続けに倒し、テニス界に旋風を巻き起こしている。

 父親のコリー(Corey)さんから指導を受けるガウフは、世界313位に対する注目度としては異例の状況を受けており、4日の練習を途中で切り上げた。また、一躍有名になり、サインに応じたり際限なくセルフィー(自撮り写真)のためにポーズをとったりするのに時間を割くことも、すっかり慣れてきたという。

 2017年の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2017)女王である同胞のスローン・スティーブンズ(Sloane Stephens)は、ウィンブルドンの女子シングルスで史上最年少の予選通過者となったガウフのような若い選手には、さまざまな誘惑に駆られてテニスの才能を台無しにしてしまう可能性があると指摘した。

 26歳のスティーブンスは、「彼女はまだ子どもであり、子どもでいる必要がある」とすると、「つまり、状況に打ちのめされかねない」「いろいろなことが起きて、テニスが二の次になってしまう」「ウィンブルドンや1番コートでプレーしたり、ヴィーナスに勝ったりするという一生に一度の経験をしているのは確かで、それは信じられないようなこと」と語った。

 4日の2回戦で王雅繁(Yafan Wang、中国)に6-0、6-2で勝利し、3回戦に進出したスティーブンスは、その年齢を考慮する必要があるとした上で、ガウフが注目されることに惑わされないように願っていると話した。

「彼女はまだ15歳であると同時に、一人の人間であり一人の子どもでもある」「年齢による資格規定(出場できる大会数が限定される規定)があり、それは少し厳しい状況」「いろいろな要因が絡んでくるだろうけど、本人が満足して良いプレーができている限り大丈夫だと思う」

 一方、昨年大会の男子シングルスでセミファイナリストとなったジョン・イズナー(John Isner、米国)は、自分がガウフ親子を知る限りでは先は明るいとの見解を示し、「彼女はとても若いけれど、最も重要なのは頭の回転が速いこと」「非常に冷静で堂々としている。少なくとも僕の肉眼ではそう見える。きっと素晴らしい将来が待っている」と語った。(c)AFP/Pirate IRWIN