【7月5日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は米独立記念日に当たる4日、首都ワシントンのリンカーン記念堂(Lincoln Memorial)の前で行った演説で「米国人に不可能なことはない」などと述べ、米軍や過去の英雄を称賛した。演説では政治への言及は避けられ、愛国心や米国例外主義が強調された。

 めったに公開されることのないステルス戦略爆撃機B2を含む戦闘機が上空を飛行する中、トランプ氏は画期的発明や戦争の勝利といった米国史の出来事に数多く言及。雨が降る中ナショナル・モール(National Mall)に詰め掛けた多くの聴衆からはUSAコールが沸き起こった。

 トランプ氏は当初、フランス革命記念日(Bastille Day)に行われる軍事パレードのようなものを大々的に実施したい意向だったが、実際には装甲車両が数台展示されたほか、大統領専用機エアフォースワン(Air Force One)やステルス爆撃機B2、攻撃用ヘリコプターの展示飛行や米海軍のアクロバット飛行隊「ブルーエンジェルス(Blue Angels)」の実演といった小規模なパレードとなった。

 伝統的に政治色の薄い独立記念日だが、トランプ氏は異例の演説で米軍や警察・消防・救急隊員、さらには移民への対応で批判を浴びている国境警備隊や米移民税関捜査局(Immigration and Customs EnforcementICE)を称賛した。

 米大統領が7月4日に基調演説をするのは数十年ぶりで、反対派からはトランプ氏が自身の地位固めや民主党攻撃に独立記念日を利用しているとの批判も上がっていた。

 会場には国防総省高官や多くの共和党幹部のほか大口の献金者らも集まり、2020年米大統領選に向けた民主党候補の指名争いに名乗りを上げている候補者たちに世論調査で大きく水をあけられる中、トランプ氏は演説で強い愛国心に訴えた形となった。(c)AFP/Lucie AUBOURG