【7月3日 AFP】中国人民解放軍(PLA)の機関紙は2日、香港で1週間前に行われた軍事演習の写真を掲載した。香港当局が反政府デモの高まりに対処する中、中国政府を批判する人々をけん制する狙いがあると、専門家らは分析している。

 香港が英国から中国に返還された1997年以降、香港にはPLAの駐屯地があるが、この部隊の定期軍事演習が注目されたことは、これまでそれほどなかった。

 しかしPLAの機関紙「解放軍報(PLA Daily)」は2日、1週間前の軍事演習の写真を掲載。前日1日には、香港の立法会(議会)に民主派のデモ隊の一部が突入していた。

 半自治権を有する香港では先月から、中国本土への容疑者引き渡しを可能とする「逃亡犯条例」改正案に反対する大規模なデモが行われており、不安定な情勢が続いている。

 解放軍報は中国版ツイッター(Twitter)の「微博(ウェイボー、Weibo)」の公式アカウントで、先週行われた陸海空軍の合同演習は「緊急出動した際の部隊の戦闘能力の確認と強化」を目的としていると投稿した。

 上海国防戦略研究所(Shanghai National Defence Strategy Institute)の倪楽雄(Ni Lexiong)氏は「この演習の意図は明確で、香港の独立分子に警告することと、香港問題に対する外国からの干渉を阻止することにある」「事態がより過激なレベルに発展し、香港行政府がそれに対応できなくなった場合には、中央政府が軍を出動させるだろう」との見解を述べた。(c)AFP/Poornima WEERASEKARA