【7月3日 AFP】英国のキャサリン妃(Catherine, Duchess of Cambridge)が2日、現在開催されているテニスのウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2019)で、VIP専用の豪華なロイヤルボックスではなく、屋外コートの一般席で試合を観戦した。

 白のワンピースにサングラスという姿のキャサリン妃が観戦したのは、ワイルドカード(主催者推薦)で出場した英国のハリエット・ダート(Harriet Dart)とクリスティーナ・マクヘイル(Christina McHale、米国)の試合で、318席しかない14番コートの一般席の中に、国別対抗戦フェドカップ(Fed Cup)の英国代表を率いるアン・ケタボング(Anne Keothavong)監督、選手のケイティ・ボールター(Katie Boulter)と並んで座った。

 王室の一員がロイヤルボックス以外で試合を観戦するのは異例で、反対側の席にはカメラマンが大挙して訪れていたが、観客の大半は自分たちと同じスタンドの中にキャサリン妃がいることにまったく気づいていないようだった。

 この日はセンターコートで前年女王のアンゲリク・ケルバー(Angelique Kerber、ドイツ)や、過去に大会を何度も制しているロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)、セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)の試合が予定されていたが、キャサリン妃はそちらが始まる前に外の試合へ足を運ぶことを選んだ。

 キャサリン妃は昔からのテニスファンで、2017年からはエリザベス女王(Queen Elizabeth II)に代わってオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(AELTC)の正式なパトロンを務めている。

 試合をしたダートは、キャサリン妃が観戦していることを知っていて、「コイントスの前に審判から言われたので気づいていた。王室の方に自分の試合を観戦していただくのはすごくクールだし、キャサリン妃にプレーを見ていただいてすごく光栄だった」「夢みたいだった」とコメントした。

 ダートが第1セットを4-6で落としたところでキャサリン妃は席を立ったが、試合はその後にダートが逆転。4-6、6-4、6-4で試合をものにしている。

 ウィンブルドンでは、屋外コートの観戦には25ポンド(約3400円)が必要なのに対して、センターコートはチケットが64ポンド(約8700円)で、厳しい服装規定もある。また、ロイヤルボックスへは招待客以外は入れない。(c)AFP/Robin MILLARD