【6月28日 AFP】競馬のブリーダーズカップ(Breeders' Cup)主催者は27日、米カリフォルニア州のサンタアニタパーク(Santa Anita Park)ではここ半年間で約30頭の馬が予後不良となる問題に直面しているにもかかわらず、予定通り同地で今年のレースを開催すると決定した。

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 ケンタッキー州レキシントン(Lexington)で開かれたブリーダーズカップの理事会では、馬の死が多発して競馬と動物の扱いに関して注目を集めているサンタアニタの競馬場で、11月1日と2日にブリーダーズカップ・ワールド・チャンピオンシップ(Breeders' Cup World Throughbred Championships 2019)を開催することが満場一致で可決された。

 ブリーダーズカップの最高経営責任者(CEO)を務めるクレイグ・フレイベル(Craig Fravel)氏は、「ブリーダーズカップの本質的価値の中で最優先されるのは、競技の安全性と高潔性であり、われわれをはじめ開催地と競技者は、その両方で最高基準を保持している」と述べた。

「サンタアニタではここ数か月間、重要かつ効果的な改革と最高の演習が実施されてきたことは明白である」「われわれはこれらの改革を全面的に受け入れ、これからの数か月間も時間と努力を注ぎながら、さらなる改革を進めていく。最も優れた競馬場の一つで、最高の競馬を世界に示すことを楽しみにしている」

 11月に開催されるブリーダーズカップがサンタアニタパークで行われるのは今回で10回目となっており、36年の歴史を持つ同大会では最多となっている。

 動物愛護団体や一部の政治家から、サンタアニタでのレース中止に加えて、カリフォルニア州での競馬禁止を求める声が上がる中、3月にはほとんどのレースが取りやめとなったこの競馬場では、各馬場でテストが行われたが、事故が急増した明白な理由は見つかっていなかった。

 レース当日の投薬の削減や、安全確保以外の理由によるむちの使用禁止など、馬の保護へ向けた一連の安全措置が講じられる中で、4月4日にはレースが再開されていた。(c)AFP