痛々しいほどに浮き出る背骨。そしてその子供を抱く母。母に寄り添い、首元にかける子供の細い手はどこか助けを求めているようにも感じ取れるだろう。この写真に写る栄養失調となった5歳の彼女の体重はたったの5キログラム。サナアから始まったイエメンの紛争により、支援物資の届けにくい地域に住む子供が栄養失調となる問題が日々深刻化している。イエメンの人口の3分の2が飢餓に直面し、危機的状態である。そして2015年に始まったイエメン紛争による食糧不足問題は現在でも解決できずにいる。わが国でも日本政府を通じて、無償で資金協力をするなどの活動を行っているが、よりイエメンの食糧問題をたくさんの国や地域に、よりたくさんの人々に知ってもらう必要がある。日本には大量の食糧廃棄が問題になるほど食糧不足は身近ではないが、世界にはこのような人々が存在していることを知り、またそこからアクションを起こすことが解決による第一歩である。

[亜細亜大学 榎本 実優]