【6月26日 AFP】男子テニス、世界ランキング2位のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が、次週開幕するウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2019)のシード順位の決め方に不満をあらわにした。

 他の三つの四大大会(グランドスラム)では、基本的に公式の世界ランキングがそのままシードの順位になるが、ウィンブルドンは唯一、ランキングポイントにグラスコート大会の成績を加味してシード順を決めるという独自の方法を採用している。そのため今大会は、世界2位のナダルが第3シード、同3位のロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が第2シードを割り振られるという逆転現象が起きることになった。

 これについてナダルはスペインの番組で「こういうことをやっているのは、1年の中でもウィンブルドンだけだ」と話し、さらに次のようにコメントした。

「もちろん、第3シードよりも第2シードの方が良いが、3番目を割り振られたならそれを受け入れるし、勝たなければならない試合を勝つために戦うだけだ」

「ちょっとおかしいように見える理由はただ一点、そういうやり方の大会がウィンブルドンだけという部分だ。どこもやっていればさほど不自然に見えないと思う」

「これは僕だけに関わってくる話じゃない。1年を通していろんなサーフェスで頑張ってきながら、ウィンブルドンでは獲得してきたランキングが軽視されるというケースは、たくさんの選手に見られた」「それが理由で、難しい組み合わせになる選手もいる」

 ナダルが今年まだ芝の公式戦に出場していない一方、フェデラーは前週ノベンティ・オープン(NOVENTI OPEN 2019)で自身10回目の優勝を飾り、ウィンブルドンへ向けた試運転を済ませている。ウィンブルドンでは、そのフェデラーと第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が反対の山に入り、両者は決勝まで対戦することがないが、ナダルは2人のどちらかと同じ山に入って準決勝で顔を合わせる可能性がある。

 ナダルは「僕個人に関して言えば、第3シードということはつまり、決勝へ行くにはジョコビッチかフェデラーのどちらかが立ちふさがる可能性がある」「ただ、そうは言っても準決勝までは当たることがないし、そこまで行くには5試合に勝たなくてはならない。今の自分には、はるかかなたの話だ」とコメントした。

 ナダルは今月、史上最多を更新する12回目の全仏オープンテニス(French Open 2019)制覇を達成してグランドスラム18勝目を挙げ、歴代最多20勝を挙げているフェデラーにあと2勝に迫っている。(c)AFP