【6月25日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦しているメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)は、23日に行われた今季第8戦フランスGP(France Grand Prix 2019)決勝で完勝し、前人未到の歴史的快挙に手が届くところまで到達した。

 しかし、ハミルトンが今季8戦中6勝を記録して独り勝ちしている現状に、一部の批評家からはメルセデスの独壇場は「退屈」であり、選手権の行方が予測できてスリルに欠けるとの声が上がっている。

 ルカストレ(Le Castellet)で行われたフランスGPでポールトゥウィンを飾って2連覇を果たしたハミルトンは、ここまで勝利を積み重ねていることについて、「今の時点で6勝を記録するなんて思ってもいなかったし、現実とは思えない」と認めた。

 この勝利で通算79回目の優勝を果たし、自身6度目の世界タイトル獲得に近づいているハミルトンは、周囲の雑音を無視して、通算7度の世界制覇を成し遂げたミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏が樹立した歴代最多勝利数91を目指す必要がある。

 また、メルセデス勢は昨季から続く連勝を10に伸ばしており、次戦のオーストリアGP(Austrian Grand Prix 2019)で11連勝をマークすれば近代では史上最多記録に並ぶ。

 その中でハミルトンは、観客や世界中の視聴者が興味をなくすかもしれないと理解を示しながらも、その原因となっているのはF1のルールであり、ドライバーの責任ではないと主張。さらにF1のマネジメント構造を変えなければならないとして、「劇的な改革が必要だ」と付け加えた。

「ドライバーの責任ではないと人々が認識してくれることが肝心だ。これはもう何年も前からF1では定期的に繰り返されている。自分が参戦する以前からのことで、バーニー(・エクレストン<Bernie Ecclestone>)氏がお膳立てし、当時の責任者たちが決めたことだ」「構造が改革されるまで、この状況は続いていくというのが自分の見解だ」

 国際自動車連盟(FIA)のジャン・トッド(Jean Todt)会長は、自身がフェラーリ(Ferrari)で代表を務めていた時代にシューマッハ氏が総合優勝5回を記録するなど圧倒的な強さを発揮していたことから、F1の歴史を打ち破ろうとしているハミルトンとメルセデスに対して勢いを緩めるよう求めるのは理不尽であると指摘している。

「世界最高のチームとドライバーが走らせる20台のマシンが、素晴らしく、まさに近代的で、本物のサーキットにそろっている姿を見るのは壮観だ」「一つのチームが優れているのは、どのスポーツでもあること。それは最強の証しだ」 (c)AFP/Tim COLLINGS