【6月25日 AFP】(更新)米国は24日、イランの最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師や軍幹部らを対象とする追加制裁を発動し、同国に対する圧力を強めた。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領はホワイトハウス(White House)の大統領執務室(Oval Office)で、ハメネイ師に対する金融制裁を定めた大統領令に署名し、「イランが強める挑発的行動に対する強力で均衡な対応」だと説明。「イランは決して核兵器を持てない」との立場を改めて表明した。

 また、今後の交渉はイラン次第だと言明。「われわれは衝突を求めていない」と話し、イランの対応次第で制裁は翌日に終わることもあれば「今から数年続く可能性もある」と述べた。

 米財務省は、追加制裁について補足発表を行い、イラン革命防衛隊(IRGC)の司令官8人を制裁対象に追加したと表明。また、イランのモハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相にも制裁を科し、イランの資産「数十億ドル(数千億円)」を追加で凍結する意向を示した。

 イランは先週、米国の無人偵察機を撃墜。トランプ氏が報復攻撃を検討後に中止するなど、両国の間では緊張が高まっている。トランプ大統領は23日、米NBCテレビのインタビューで、イランと戦争になればイランが「これまで見たことのないような抹消」を経験するだろうと述べていた。

 イランは、同国にとって重要な石油輸出の大半を禁止されるなど、既に米国からの制裁により甚大な影響を受けており、今回の追加制裁を軽視する姿勢を示している。

 イランのアッバス・ムサビ(Abbas Mousavi)外務省報道官はトランプ氏が大統領令に署名する直前、「米国には最近、または過去40年の間、われわれの国に科していない制裁が本当に残っているのか」と疑問を呈し、「(追加制裁の)影響は全くないと考えている」と述べた。(c)AFP/Sebastian SMITH with Amir HAVASI in Tehran