■「ほら吹きのいじめっ子」と専門家

 独立系シンクタンク「国際危機グループ(ICG)」のロバート・マリー(Robert Malley)社長兼最高経営責任者(CEO)は、トランプ氏は実際のところ、対イラン戦略や、もう一つの長年の敵対国である対北朝鮮戦略を間違いなく持っていると指摘する。

 バラク・オバマ(Barack Obama)前政権で大統領政策特別顧問など務めたマリー氏によると、トランプ氏はまず、「経済的に息の根を止めるとの脅迫」など大きな圧力をかける。それから、「こちらの条件をのむ用意があるならば、特別な素晴らしい関係へのドアは開かれている」と持ちかける。

 問題は、こうした強引なアプローチが失敗した場合、両陣営が追い詰められるということだという。マリー氏は、「そのとき彼(トランプ氏)は望まないジレンマに陥ることになる。戦争に突入するか、引き下がるか?」と語った。

 米ジョンズホプキンス大学(Johns Hopkins University)のロバート・グットマン(Robert Guttman)氏によると、トランプ氏の思考の欠点はより単純で、より根深いと指摘する。

 グットマン氏は、「彼は自分が何をしているか分かっていない」「彼はほら吹きのいじめっ子だが、外交政策に関する経験は皆無だ。彼は『俺はタフガイだが、俺を試すなよ』と言っているのだ」と指摘した。(c)AFP/Sebastian SMITH and Jerome CARTILLIER