【6月20日 AFP】インターネット上で知り合った男から900万ドル(約9億7000万円)と引き換えに誰かを殺すよう持ちかけられ、親友を殺害したとして、米アラスカ州在住の18歳の女が殺人や共謀などの罪で起訴された。

 デナリ・ブレーマー(Denali Brehmer)被告(18)は、ネット上で「タイラー(Tyler)」と名乗って富豪を装っていたインディアナ州在住のダリン・シルミラー(Darin Schilmiller)被告(21)と知り合った。

 裁判文書によると、2人はオンラインでやりとりをするうち、アラスカ州で誰かをレイプし殺害する計画について話し合うようになった。シルミラー被告は、襲撃の様子を撮影した動画か写真を送ってくれたら900万ドル以上をあげようと、ブレーマー被告に約束したとされる。

 そこでブレーマー被告は、10代の仲間4人を集め、シンシア・ホフマン(Cynthia Hoffman)さん(19)を標的に定めた。ホフマンさんは、ブレーマー被告のことを親友だと思っていたという。

 ブレーマー被告らは今月2日、ホフマンさんをアラスカ州アンカレジ(Anchorage)の北東にあるサンダーバード・フォールズ(Thunderbird Falls)のハイキングコースに誘い出し、体を粘着テープで縛ると、後頭部を銃で撃ってから川へ落としたとされる。ホフマンさんは4日になって遺体で発見された。

 警察によると、殺害を実行したのはブレーマー被告と一緒に車でホフマンさんを現場に連れていったカイデン・マッキントッシュ(Kayden McIntosh)被告(16)で、使用した銃はブレーマー被告のものとみられている。

 ブレーマー被告は犯行中ずっとシルミラ-被告と連絡を取り合い、写真・動画共有アプリの「スナップチャット(Snapchat)」を使って縛られたホフマンさんや殺害後の遺体の写真や動画を送信していたという。

 現地報道によるとホフマンさんの父親は、娘には学習障害があり、精神年齢は12歳程度だったと語っている。

 大陪審は14日、ブレーマー被告、マッキントッシュ被告、シルミラー被告と他3人について、それぞれ第1級殺人とその共謀、第2級殺人などの罪で起訴した。

 シルミラー被告とブレーマー被告はまた、児童ポルノ禁止法違反と児童搾取の罪でも起訴された。警察の捜査で、ブレーマー被告の携帯電話から、被告が15歳の少女に性的虐待を加える動画が見つかったという。シルミラー被告はホフマンさん殺害後、ブレーマー被告を脅迫して少女たちに性的暴行を加えさせていたことを認めている。(c)AFP/Jocelyne ZABLIT